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- メリット
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意外?!小規模保育園で働くメリット・デメリット~どんな人が向いている?~
更新日:2021年01月25日
小規模保育園とは0~2歳までのこどもたちが対象で、定員数19名以下の小規模な保育園の事を言います。
小規模=こどもたちの人数が少なくてゆったり落ち着いた雰囲気で、
業務負担が平均的な人数の保育園よりも軽いかな?と思ってはいませんか?
ちょっと待った!
安易に「小規模」というワードだけで選んでしまうと就職後、大きなギャップを感じてしまいますよ!
本日は小規模保育園で働く上でのメリットとデメリットをご紹介いたします。
小規模保育園で勤務を希望されている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
それではどうぞ!
もくじ
■小規模保育園とは?
■小規模保育園のメリット
■小規模保育園のデメリット
■小規模保育園はこんな人に向いている
■小規模保育園とは?
小規模保育園とは、0~2歳児を対象に、定員6~19人と少人数で運営され、
定員5人以下の家庭的保育と、定員20人以上の認可保育園の間の保育園です。
2015年4月に施行された「子ども・子育て支援新制度」により「地域型保育事業」の中の
「小規模保育事業」に位置付けられ、認可外だった小規模保育園は、市区町村による認可事業となりました。
この背景には都心の待機児童問題があります。都市部の待機児童の大半は0~2歳児が中心で、保育園の増設が
求められましたが、十分な土地が確保できないため、容易に保育園を作ることは困難でした。
限られたスペースでも開園できる保育園として制度化されたのがこの「小規模保育事業」です。
大規模保育園のように園舎や園庭整備に何ヶ月もかける必要がなく、一定の基準を満たせば
既存のマンションの一室や狭い敷地などでも認められるため、短期間での開園が実現しました。
市区町村や自治体の認可対象となったことで、財政支援が受けられるようになり、民間事業者が開園するにあたり後押しとなっています。
2019年4月1日時点(※1)の全国の小規模保育園の施設数は、4,915施設
【小規模保育園の特徴】※(参照)特定非営利法人 全国小規模保育協議会
・家庭環境に近い環境の中で、愛着関係を大事にする。
・少人数を対象に、きめ細やかな保育。
・一人ひとりの子どもの生活リズムを尊重。
・保護者の子育てに伴走し、悩みを抱えている子どもや保護者に寄り添う。
・地域の様々なニーズに合わせた多様な保育を展開。医療的ケア児を積極的に受け入れる園もあります。
【小規模保育園の種類】
小規模保育園にはA型・B型・C型と3つの形態があります。
保育士資格保持者がA型、B形、C型の順に割合が減っているのが特徴的です。
通常の認可保育園の配置基準に比べA・B型は1名多く職員を配置することとなっていますので、
きめ細やかな保育が目指せる環境です。
<A型>
A型は一般的にいう保育所分園やミニ保育所に近く、保育所(認可保育園)を小さくした形に近いです。
原則として、保育者が資格者に限られることが、他のB、C型と異なります。
認可保育所の配置基準数よりも、1名多く職員を配置することが求められています。
<B型>
B型は保育士の割合が1/2以上。少人数ならではのきめ細やかな保育を確保するために、
保育所と同数の職員配置とせず、1名の追加配置を求めています。また、保育士の配置比率の向上に伴い、
B型で開始後にA型に移行促進を行い、国・地方自治体で保育の質を高めるための指導を行っています。
<C型>
C型は家庭的保育(グループ型小規模保育)に近い形です。
職員は、保育士だけでなく、「保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者」として、
市区町村が行う研修を修了した保育士以外の人も職員として保育にたずさわることが可能です。
<参照>厚生労働省:小規模保育事業について(外部サイトへ移行します)
■小規模保育園のメリット
【1】アットホームな雰囲気で保育ができる
家庭に近い環境を目指す小規模保育園なので、
0~2歳児に限られ、定員人数も19人と少なく、目の届く範囲でこどもたちと密に関わることが可能です。
こどもたち1人1人の特徴や強みをより把握しやすい環境と言えるでしょう。
【2】専門性を高められる
0~2歳の乳児期に特化しているため、専門的な知識を深められます。こどもたちとコミュニケーションが
取りにくい分大変ですが、スキルアップを目指せるでしょう。
【3】行事の負担が少ない
低年齢のこどもたちが中心のため、大規模な行事準備は一般的な園に比べて少ないでしょう。
また、職員1人が見るこどもの数が少ないため、事務作業の負担もそこまで大きくありません。
【4】職員・保護者とも密に関われる
分からないことはすぐに聞け、情報連携が取りやすい環境です。また、保護者1人1人との会話にも時間を割けるため、
こどもたちの成長を小まめに共有し、信頼関係を築きやすいでしょう。
■小規模保育園のデメリット
【1】保育以外の業務での負担が大きい
小規模で職員数が少ないため、大規模園であれば職員同士で業務分担ができるような
雑務、保育室やトイレの掃除、ごみ捨て、片付けなどの1人当たりの負担が大きくなります。
【2】職員のスキルにバラツキがある
前述の小規模保育園の形態でも紹介しましたが、保育士の資格保持者でなくても
配置人数としてカウントされるため、保育の経験やスキルにバラツキがあります。
【3】限られた人間関係で逃げ場がない
良好な関係であれば、少数精鋭で連携しやすいのが特徴ではありますが、逆の場合は
通常の園よりも気遣いや苦労を強いられます。また、休日申請、土曜日出勤、早番など
シフトを組む際にも少人数のためなかなか希望が通らず我慢をしなければいけない場面もあるようです。
【4】保育経験の幅が狭くなる
小規模保育園では0~2歳児の乳幼児の見守りを中心とした保育内容です。将来的には、保育士のスキルとして、
3~5歳児の保育経験も重要となります。専門知識が深められるものの、転職や主任、園長など役職にチャレンジする際は
小規模保育園の経験だけでは不十分と判断されてしまうことも考えられます。
■小規模保育園はこんな人に向いている
・じっくりとこどもたちと向き合いたい人
・更に乳児期の保育の知識を深めたい人
・少数精鋭で保育だけではなく雑務にも率先して取り組める人
・積極的に自分の意見を伝えられる人
いかがでしたでしょうか?
保育士になったからには成長著しい乳児さんと関わりたい!と考える方もいるかもしれませんが、
保育士経験が浅い方の場合は少ない職員数の中で、知識不足を感じたり、自発的に行動しなければいけないため
苦労を感じる場面が多いかもしれません。
今の保育園では乳児の担任ができない!更に保育士として専門性を深めていきたい!
と思われている方にはピッタリですが、
人数が少ないから楽かも?
乳児さんだから外遊びも限られるし、体力的にも大変じゃないかも?
と安易な理由で小規模保育園での就職を考えている人は要注意ですよ‼
どんな現場でも責任感が問われますが、小規模保育園の場合は
保育士資格を持つ職員の配置人数が少ないため、専門職として
業務上フォロー対応をしなければいけない場面も出てきます。
業務負担の軽減を考えての転職動機でしたら、小規模保育園ではなく
違った条件の求人の方があなたに合っているかもしれません。