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事故を起こさない午睡中の環境を整えよう

更新日:2023年01月10日


保育所内での乳児(0~2歳)の死亡事故の約8~9割は午睡中に発⽣していま
す。
午睡中の突然死や窒息を防ぐためには、環境を整えることが⼤切です。
今回は、他⼈事ではすまされない午睡中の事故について、保育者にできること
は何かを考えてみたいと思います。


なぜ午睡中、死亡事故に注意しなければならないのか。


「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と呼ばれる、原因が分からない原則1歳未満の
児に突然の死をもたらした症候群が発⽣するタイミングが睡眠中であることが
多いためです。要因は未だ解明されていない状況ですが、うつ伏せ寝や個々の
健康・発達状態、その時の外的ストレスなど、様々な要因が重なってしまうこ
とが突然死につながると考えられています。


午睡の環境を整えるポイント


<チェックのための⼈員を配置する>
「形だけ」や「〜しながら」のチェックはNGです。こどもの観察に専念する
保育者を決め、⼀⼈ひとり丁寧にチェックすることを徹底しましょう。
午睡チェックは、時間ごとに「呼吸状態」「⽪膚状態」「寝ている体勢」「汗や
体温」などの全⾝状態をチェックします。

<うつ伏せで寝かさない>
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」は、うつ伏せ寝で引き起こされる可能性が⾼
いです。寝返りができるようになると、いつの間にかうつぶせ寝になることが
あります。 そこから仰向けに戻ることができないまま、気付いた時にはぐっ
たりとして亡くなっているということがあります。もしうつぶせ寝になってい
るのに気付いたら、すぐに仰向けにしてあげましょう。

<抱き枕や寝返り防⽌グッズを置かない>
窒息の原因となる、タオル・抱き枕・ぬいぐるみ。寝返り防⽌グッズを顔の周
りに置かないようにしましょう。着⾐の乱れにも注意が必要です。

<換気をこまめにする>
室内の気温や湿度を確認し、調節を⾏います。寒い季節でも、適度な空気の⼊
れ替えは必要です。

<保育室の明るさに注意する>
部屋が真っ暗になるようなカーテンではなく、薄⼿のものを使⽤しましょう。
こどもの顔⾊がすぐに判別できる明るさにすることが⼤切です。

<柔らかすぎる寝具を使わない>
柔らかすぎる寝具やタオルケットは顔が埋まって窒息の危険があります。窮屈
感を感じないようにと、柔らかくて⼤きめの⽑布や布団をかけることがありま
すが、⼤きすぎたりすると仰向けで寝かせていても、⿐や⼝を覆ったまま寝て
しまい、これが窒息死に繋がります。 こどもを寝かせる際の布団は、適切な
硬さで、体格にあったものを使⽤しましょう。

<寝られるタイミングを待って⼊眠させる>
機嫌の悪い⼦や、ぐずっている⼦は、気持ちを落ち着かせてから布団に⼊るよ
うにし、無理に寝かせなくても良いように配慮しましょう。

最後に


保育⼠さんは⽇々こどもたちに安全な睡眠環境を提供するために、環境整備や
記録管理などを⾏っていることでしょう。さらに安全に午睡時の環境を整える
ためには、乳幼児突然死症候群(SIDS)などの概要を理解し、このコラムであ
げたポイントをクリアしていくことが⼤切です。こどもたちの安全に細⼼の注
意を払いながら、⽇々のお仕事を進めていってくださいね!